ポンガミア(英名Pongamia pinnata)は、タイ、ラオス、オーストラリア、アフリカなどの亜熱帯から熱帯地域に従来より自生しているマメ科の常緑樹で、日本でも沖縄に自生し「クロヨナ」と呼ばれています。
その実の高い油糧含有量から、次世代バイオマス燃料として期待されています。
特徴
- 搾油量は1ヘクタール当たり5~10トンと、パームの3.8トン、ジャトロファの1~2トンと比較しても優位となっています。
- 乾燥地帯や塩害地帯など、一般の農作物が生息できない過酷な気象条件や土壌条件にも強く、防潮林としても植林されています。
- 根粒菌と共生することで、荒地でも空気中の窒素を窒素栄養源として成長します。また、窒素を地中に固定化するため、土壌改善の効果が高い樹木です。
- 樹の寿命は100年程度、生産性の高い種子生産期間は40~60年ほどです。
- 機械による剪定や収穫が可能であり、大規模農業でも健全な労働環境を維持できます。
- 非食用植物を非耕作地に植林するため、既存の農業や食料と競合しません。
- 荒廃地に植林し緑化することで砂漠化の進行を防止(環境修復)し、持続可能な自然環境を創出します。
- 樹木の生えていない荒廃地などで新たに栽培することで、大気中のCO2 削減となるアプローチをしています。
ポンガミアから生産される製品
植物油燃料
種子から搾油し、ディーゼルエンジンによる発電用・大型船舶用などの燃料に利用できるほか、持続可能な航空燃料(SAF)の原料としての活用が期待されています。
家畜飼料など
搾油する際に生じる絞り粕は、高蛋白質・高炭水化物のバイオマス資源であり、家畜飼料や有機肥料、バイオプラスチック、バイオコークスなどの原料になります。
その他のバイオマス資源
殻や剪定材は木質ペレットなどのバイオマス資源に加工できます。
※数値は乾燥種子を100%とした場合の重量比(10%は水分)